エンジョイ!デブライフ

カロリー大好き!「楽しいこと、アツいこと=熱量(カロリー)!」というわけで、単に好きなことやってるブログです

生きたまま地獄が体験出来る上に実は極楽!「あの世」のテーマパーク恐山がスゴい!

 こんにちは。デーブ・トクモリです。突然ですが、本州最北の地からのレポートです。

ここです。青森県は下北半島の先端です。

お盆も過ぎて、楽しかった夏ももう終わり……。でも、夏が終われば秋。秋なんです。スポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋……。考えてみれば、実は秋という季節は欲望にまみれているのかもしれません。そんな欲にまみれたデブにオススメな場所があると聞いて本州最北エリアまでやってきたというわけです。

下北半島の中央部へ向かいます。ゲリラ豪雨のあと、モヤがかかって雰囲気満点の山間の県道を進むと見えてきました。

 山 恐 場 霊

そう、今回の目的地は、本州最北の霊場、「恐山」なのです!

恐山というと、イタコとか、心霊スポットみたいな怖い場所を想像する方も多いんじゃないでしょうか? でも、実際には怖いというよりも面白い!という点で、一生に一度は来ておいた方がいいと断言出来る場所だったので紹介したいと思います!

恐山は横浜の先にあった?

まずは場所から。さっき、本州最北端の大間崎の場所を示しましたが、恐山もその近くにあります。

東京からだと、八戸駅まで東北新幹線で移動して、そこから青い森鉄道に乗って下北駅で下車。そこからレンタカーかバスで行きましょう。下北半島の観光地をめぐるなど、現地での利便性を考えると、レンタカーを借りることをオススメします。

ちなみに、青森方面から国道279号を通って車で向かうと、こんな青看板と遭遇します。

恐山59km……むつ46km……横浜19km。横浜!?

首都圏の人はぐっと親近感がわきますよね?そう、恐山は意外と近所なんです(※違います)

どっちを向いても、地獄!地獄!地獄!

山道を進んで恐山と書かれた門をくぐってしばらく行くと、急に景色が開けて、宇曽利湖(うそりこ)の湖岸に出ます。そこで渡るのが……

三途の川もうこんなん狙ってますやん。オモシロですやんか。(あまりのベタなネタに思わずエセ関西弁になってしまいました)

三途の川を渡れば、恐山菩提寺の境内に到着です。もう死んだ!厳格な雰囲気の山門。例年7月20日~24日にかけて行われる恐山大祭と10月上旬の連休に行われる恐山秋詣りには、全国から参拝客が集まります。その際には口寄せのイタコさんたちもいるそうですが、普段は見ての通り静かな雰囲気に満ちています。

 

そして、山門から視点を90度横に向けると――

地獄へ、ようこそ。

変色した石が積み上げられた、荒涼とした光景。そこら中からグツグツボコボコと火山性のガスが沸き出しており、硫黄臭がたちこめています。

そう、ここは、地上の楽園ならぬ、地上の地獄。あちこちに、さまざまな「地獄」が待ち受けています。


無間地獄
塩屋地獄 


重罪地獄


金掘地獄


どうや地獄


血の池地獄

これらは、すべて火山性ガスの噴出口(今は噴出してないものも含む)だそうで、かつては100を超える地獄があったのだとか。


火山ガスの強いところには、このように危険を示す看板も。

恐山菩提寺は地蔵菩薩を本尊としており、境内にはいたるところに「お地蔵様」がいます。
太平洋戦争での出兵者を慰霊する英霊地蔵尊。

そして、極楽へ……

数々の地獄をめぐり、火山ガス(亜硫酸ガス)が溶け込んだ水の流れを超えて進むと……


海の青さともまた異なる、澄んだ湖水をたたえる宇曽利湖のほとりに出ます。


どこか現世離れした静けさに満ちた、白く美しい浜辺。その名も、
極楽浜。


境内や浜辺に積まれている石は、賽の河原で鬼に崩されながら石を積み続ける死別した子のために、代わって積まれているもの。幼子の霊を慰める風車がカラカラと音を立てて回ります。

ここ恐山は、昔から「死んだら山に行く」(人は死後、恐山へ行く)と伝えられてきた山岳信仰の場所なのですが、故人を弔う場であると同時に、様々な地獄と極楽を生きながらに体験できる、あの世のテーマパークでもあるのです。

恐山の宿坊は超豪華ホテル!?

ちなみに恐山には、参拝客が宿泊できる宿坊「吉祥閣」が用意されています。1泊2日で12000円(夕食・朝食込み)とちょっと値は張りますが、ここでもレアな体験が出来るので、日程に余裕があるなら宿泊を強くオススメします。


チェックインは17時ごろと遅めなのですが、高級ホテルばりに広いロビー。そして部屋に通されると……


超広い。2部屋あわせて20畳ぐらいあるぞこれ!曙クラスの力士が6~7人いても十分泊まれる広さです。デブでも安心して泊まれます。足伸ばして寝られるどころの騒ぎではありません。


恐山大祭や恐山秋詣りなどでの団体客を想定して大部屋メインで作られているようです。でも、その2つのシーズンを外すとかなり空いています。この写真は2014年のシルバーウィークの際に撮影したものですが、宿泊で使っているのは4部屋だけでした(見た感じ、2階建てで全50部屋ぐらいはありそうな感じです)。


普通のホテルだと枕元に聖書が置いてあったりしますが、お寺なので仏教の聖典が。


食事はもちろん精進料理。前述のとおり、団体客を想定した作りなので、食堂もこの広さです。そこを4組6名の宿泊者が使うという、ある意味とても贅沢な使い方。


当たり前ですが動物性のものは出てきません。デブ悲しい。でも、品目は多く、どれも丁寧に美味しく調理されていますし、そんなに多くはないですがご飯はおかわりできます。デブ嬉しい。こうした食事から、普段のカロリーのありがたみを感じることもまた恐山宿泊の醍醐味といえます。
また、食事の前には僧侶の方から簡単な説法があり、「五観の偈(ごかんのげ)」を全員で読み上げます。

一 計功多少 量彼来処 : 功の多少を計り彼(か)の来処(らいしょ)を量(はか)る。

二 忖己德行 全缺應供 : 己が徳行(とくぎょう)の全欠を[と]忖(はか)って供(く)に応ず。
三 防心離過 貪等為宗 : 心を防ぎ過(とが)を離るることは貪等(とんとう)を宗(しゅう)とす。
四 正事良薬 為療形枯 : 正に良薬を事とすることは形枯(ぎょうこ)を療(りょう)ぜんが為なり。
五 為成道業 因受此食 : 成道(じょうどう)の為の故に今この食(じき)を受く。

カロリー大好きっ子も、今この時は自らの食生活を反省しましょう。

温泉入り放題!混浴風呂も!?

地獄めぐりのところで「硫黄臭がたちこめている」と書きましたが、つまり、天然温泉が湧いているんですね!しかも、恐山の参拝客は入り放題なんです。イェイ!境内には4つの内湯がありまして、男湯と女湯が1つずつ、混浴が1つ(!)、あと日によって男湯と女湯が入れ替わる湯が1つあります。

湯屋の外観はこんな感じ。


中はこんな感じになっています。うーん、本格的!なお、温泉成分が強いので長湯は禁物とのこと。これらの外湯は朝5時から夜21時まで利用できます。また、宿泊客は吉祥閣内の内湯を利用できます。こっちも凄いんです。


大浴場。そりゃ団体客向けの建物なんだから当たり前なんですが、普段は空いているのでこの広さを独り占めできちゃったりするんですな!サイコー!シャワーなどひと通りの設備が整ってるので、まずはこっちを利用するのがいいかも。こちらも朝は5時から利用できます。もう温泉入りまくりんぐ。極楽や……完全に極楽やでここ……!

ありがたい説法を受けてチェックアウト

翌朝は6時30分から地蔵殿と本堂でお勤めがあります。長い廊下を渡って地蔵殿へ。お経を聞き、家内安全を祈願します。本堂では、恐山の由来や信仰のありかたなどのお話を聞きます。


その後、7時から朝食を昨晩と同様に頂きます。五観の偈を唱えるのも同様です。そして9時にチェックアウト。これで、恐山1泊2日の行程は終了です。


境内を出ると売店などもありますので、おみやげを買うのもいいのではないかと。個人的に売店でのオススメはこれです。おみやげにはなりませんが。


霊場アイス。
「恐山盛り!!」て。境内の神妙なムードとの落差がすごい。どんな顔すればいいのか悩みます。どんな顔したらいいんでしょうか?


まあ食べるんですけど。ヨモギ味、さっぱりしてて美味しかったです。

下北半島へ来たら食べておきたい大間のマグロ

そんなこんなでチェックアウトしたわけですが、レンタカーであれば、ちょっと足を伸ばして下北半島の北側に行くと、マグロで有名な本州最北端の地・大間町へ行くのもオススメです。


ヒャッハー!朝獲れの本マグロだぁー! しかし、これはこれで地獄感ある絵ヅラだな……

冷凍じゃない、活本マグロで動物性タンパク質を補給するゼェーッ!!!!あああああ、太るぅ~!
まる1日、精進料理で舌と胃を休めたからか、もうたまらん美味さです。新鮮で弾力のある、でもとろけるような大間の本マグロ!最高……最高や!

魚喰いの大間んぞく
〒039-4601 青森県下北郡大間町大間大間平17-377

というわけで、ちょっと東京からは遠いですが、とにかくここでしか出来ない体験がてんこもりの恐山、ついでに大間のマグロまでいただけちゃう!というとこまで含めて、超オススメなので秋の行楽にぜひ行ってみてください!ちなみに10月いっぱいで閉山(11月~4月末まで)ですのでご注意を!