三度のメシより肉が好き。こんにちは、デーブです。いやー、食べたいですよね、肉。
このたび、ネットで「日本一上手い馬肉を食べられる」と評判の会員制のお店「ローストホース」で食事をする機会を得ましたので、その記録を残しておきたいと思います。
とりあえず先に書いておきますが、人生で食べた馬肉料理の中で地球3周ぐらいの差をつけてブッチギリで美味しかったです。
ローストホースって?
ネットで検索すればいっぱい出てきますし、ご存知の方も多いと思うのでざっくり説明しときますと、「日本一の馬肉専門店で、石釜で焼いた最高のローストホースを食べさせたい!」というクラウドファンディングプロジェクトによって開店したお店です。
2017年5月現在、完全会員制となっており、入店出来るのは
・会員
・会員の同行者
のみとなっております。2016年に行われた会員募集第2弾のぶんと合わせて、会員はおそらく700人程度。今回、とても素敵な会員の紳士からお誘いをいただき、喜び勇んで馳せ参じた次第であります。
めくるめく日本一の馬肉料理の世界へ
前置きはこれぐらいにして、行きましょう。
最初に出てきたのは、高知県の契約農家から仕入れた玉ねぎのスープ。
この時点で既に美味いんですよ。
そして馬肉のトップバッターとして登場するのが、バルサミコ酢を合わせたお寿司。
肉い。すごく肉い。
馬肉っていうと、赤身のお肉で、弾力があって、厚いと噛み切れなかったりする……というイメージがあったりするんですが、ねっちりとした歯ごたえながら歯切れは良く、そして圧倒的なうま味……なにこれ。
一瞬でなくなりました。場は無言。みんな半笑いで(なんやこれ……美味い……)みたいな顔をしています。
次に登場したのが、馬の脊髄と穴子の煮こごり。
Oh...オシャレ……
馬の脊髄ってどんな味なんだろう?と思いましたが、白子に近い感じの濃厚なうま味が、口の中でホワホワっと崩れて広がります。なんなんですかこれ。
馬肉と言ったら、そう、馬刺しですね。ここから、本気モードへと突入していきます。
まず出てきたのが、内もものヅケと、シャトーブリアン。
「馬肉はマグロと同じでイノシン酸がうま味のもとなので、同じようにヅケにしても美味いんですよ」と店長の平山さん。
続いて、見るからにヤバい皿が登場。
霜降り肉。馬肉は、牛や豚などよりも脂肪の融点が低く(25℃~)、室温でも融けていってしまいます。この薄造りの刺身が、徐々にしなしなと崩れ落ちて……。というわけで、急いで口に入れると、もう文字通り「お口でとろける」んです。ヤバいやつ。
フタエゴ。あばら部分のお肉です。赤身部分の「肉」の歯ごたえと、舌に乗せた瞬間からとろける脂肪分のハーモニー。ヤバいやつ。
京都美山のゆばと馬肉のラー油あえによる麻婆豆腐。麻婆豆腐に「見立て」てるだけで、実際には全然違うというか、完全に未知の料理でめっちゃ美味いです。馬肉の甘みとラー油の辛さがゆばでマイルドに包まれて……。ヤバいやつ。
まだまだ馬刺しの進撃は続きます。
馬刺しの中トロ。
脂身と赤身の比率がもっともいい部位!ヤバい。
ブツ切りの質量感もヤバいです。この脂肪のラインの美しさ!
そうこうしているうちに、馬刺しの時間も終わりに近づいて参りました。
なにこれ。タン刺しです。牛タンのようなコリッとした食感でもなく、脂のヌルっとした感触でもなく、その中間というか、ヌコリュッとした新食感です。
ああ、馬刺しの時間は終わってしまわれましたか。これはなんだろう。冷菜かな?
馬刺しの時間は終わったと言ったろう。あれは嘘だ。ユッケ!ユッケですこれ!卵黄のエスプーマを乗せた馬肉のユッケ。上に乗っているのは、ツマ状に細切りにした新じゃがを揚げたもの。これが破壊的な美味さ。ヤバい。
すっごく平たく言うと、卵かけごはんのごはんを揚げた新じゃがに変えて、そこに馬肉ユッケを突っ込んでるわけですが、もう暴力的なうま味です。揚げたじゃがいものサクッとした食感と、馬肉のニュグッとした歯ごたえ、そしてまろやかな卵黄。
一生これだけ食ってたいかも。
ここまでずっとビールだったんですが、日本酒にチェンジ。ちなみに、コース料理の価格は7500円、飲み放題(ドリンクメニューのうち超高いお酒以外が飲み放題)にすると10000円です(価格は税別)。
馬のシャトーブリアンとミョウガの肉巻き天ぷら。完全に未知の領域に突入しており、一同の脳の言語野も焼き付いてきています。これを食べたボクの感想は
「単純に美味い」
まだまだ見たことないのが出てきます。こちらは馬のタテガミ。平山さん曰く「タテガミは本当に希少な部位で、世の中でタテガミって出てくるのはほとんどただの背脂です。ウチは日本一の仕入れ力がありますから本当のタテガミをお出しします」
「いろいろやったんですけど、タテガミを一番美味しくいただけるのは軍艦です(断言)。ノリも最高級品を使ってます」
メチャメチャ美味え……ただの脂身ではない、繊維を感じるプリサクッとした歯ごたえが、口の中で解けるように融けながら、ノリやシャリと一体になっていきます。
熊本の郷土料理・からし蓮根。馬肉って基本的に甘みが強いので、サクッとした食感とピリ辛な味が、一連の料理の流れで素晴らしいアクセントに。
お酒も進んでしまうわけです。仕方ない。
そして、ローストホースがクラウドファンディングを利用した理由であるところの、石釜を使った料理たちの入場です。玉ねぎと……
エリンギとホワイトアスパラガス。
スタッフさんが切り分けてくれます。
しかし、なんなんですか?このエリンギのテカりは。焼き野菜とは思えない水分。もちろん、口に入れても全く期待を裏切らないジューシーさです。
玉ねぎは芯までしっとりほくほく。
ホワイトアスパラガスもウソみたいな柔らかさと強烈な甘みが。ヤバい。
決戦に備えて、口の中をさっぱりさせるために現れたのがハツコマと大根おろしの土佐酢のジュレ。シャクッコリコリッとした食感でリフレッシュ。
さあ、いよいよ決戦です。いや、ここまでもずっと死闘を繰り広げてきたわけですが、長い十二子宮の戦いを抜けて、ついに教皇の間にたどり着いたのです(比喩が完全に30代のおっさん)
石釜でローストされた肉の登場です。
すみません、圧倒的な肉力の強さを前に、完全にどこの部位なのか聞き落としてしまいました。
意識が遠のいたあと、気がついたら箸休めの長芋が出ていました。
ですが、まだあるのです。
イチボ、と呼ばれるお尻の希少部位のロースト。
脂身が少なく、赤身で柔らかいお肉。
すりおろした本わさびを乗せていただきます。辛い!なんてことは全くなく、ジューシーで爽やか!
締めのご飯は「馬肉カレー」。煮込まれた馬肉がめいっぱい入ってます。これだけどんぶり1杯ぐらい食べたい。うそ。3杯ぐらい食べたい。
デザートは、きなこ味のかき氷を乗せたわらび餅
……おがくず?
いやいや、これがサラッサラのかき氷なんです。きなこ味の。口の中でホロッと溶けるんですが、このサラサラした粒の食感というか舌触りがすごい。異次元。
溶け始めても、なかなか形が崩れません。「なんでもサラサラのかき氷にするマシン」みたいなのがあるらしいです。魔法か。
そんなこんなで、夢のような約2時間半のディナーコースでした。先に書いたとおり、飲み放題込みで10800円(税込)です。……普通の居酒屋で3回飲むの我慢するとこの「日本一の馬肉料理」が食べられる、と考えると、安すぎなのでは?
現時点では会員のみが予約可能なので、オススメしたところで誰でも行けるわけではないのが心苦しいのですが、ぜひとも頑張って会員の人と知り合いになっておいてですね、お誘いの機会があったら万難を排してお受けしていただきたいです。
いやー、ヤバい。ヤバイですよ!
お誘い頂いて初めて来たんですけど、なんなのこれ、なんなの……#instaphoto #gourmet #a7s https://t.co/FLKIjsJ2sr pic.twitter.com/OxwfHqvupC
— デーブ・トクモリ (@Dave_Tokumori) 2017年5月16日
おまけ
憧れのローストホースにお誘いいただいたのに、着ていくドレスがないわ!(どういうキャラだよ)と慌てふためいた結果、せめてレンズぐらいは新調していこうと思い、前日に銀座のソニーストアで清水ステージからヘルダイブしました。
この組み合わせだとボディ(α7s)もレンズ(SEL2470GM)も手ぶれ補正を積んでないので、高感度でなんとか(今回の写真はISO5000~12800です)しましたが、被写界深度うっすうすだし、もっと練習しなきゃなと思います。まあ、デビュー戦ということで……。
今回使ったレンズとカメラ