こんにちはー、デーブです。10月の中旬に、遅まきながら夏休みを取得しました(デーブの会社では、6月~10月末までの間に5日間夏季休暇を取得する、というシステム)。今回は、そこで見た「西条祭り(伊曽乃神社祭礼)」を紹介します。
ポイントは
- 規模がヤバい(だんじり・みこしの総数80台以上!)
- 期間もヤバい(ほぼ2日間ぶっ続けでやってる)
- テンション、熱気、熱狂がヤバい
といったところです。
去年は秋の連休にあわせて取得して、北海道旅行に行ったりしました。
今年は、9月は仕事が忙しくってダメで10月になっちゃったんですが、特に予定も決めておらず、どうしたもんかなと。そんな折、愛媛県出身(今は東京都在住)のいとこから「10月やったら西条祭りは一度見といたほうがええよ!凄い迫力やけん!」とオススメされまして、気持ちだけ愛媛県人(※母親が愛媛県出身で小さいころは毎年帰省していたので、気持ち的には愛媛県が故郷みたいな感じなのです)としては見ておかねばなるまい、と決意。一路、愛媛へと向かいました。
で「西条祭り」って?
まずは概要から。江戸時代から伝わる、愛媛県の西条市内で毎年10月に開催されるお祭りで、嘉母神社祭礼、石岡神社祭礼、伊曽乃神社祭礼、飯積神社祭礼を総称して「西条祭り」とされています。ただし、単に「西条祭り」と言う場合、最も規模の大きい伊曽乃神社祭礼のことを示すことが多いようです。
- 嘉母神社祭礼:体育の日の前々日と前日
- 石岡神社祭礼:10月14・15日
- 伊曽乃神社祭礼:10月15・16日(実質的には14日から)
- 飯積神社祭礼:10月15・16・17日
概要については、以下のサイトがとても詳しいです。
西条祭りの特徴は、「だんじり」と「みこし」と呼ばれる、山車の数々。とくに伊曽乃神社祭礼では、総勢80台を超えるだんじりとみこしが、昼夜を問わず街中を練り歩きます。昼夜問わず、というのは文字通りで、祭りはほぼ丸2日間(伊曽乃神社祭礼の場合、15日0時の「宮出し」から16日夕方の「川入り」まで、更にはその後の後夜祭にかけて)行われるんです。
そして、もう一つの特徴が、西条っ子の祭りへかける意気込みです。はっきり言って狂気です。マジです。ガチです。祭りの期間は当然のように多くの学校・企業は休みますし、祭りを「人生における最優先事項」に据えている人も多くいます。大学や就職で別の地域に出ていても「祭りのときだけは必ず帰ってくる」というのはザラ、中には「嫁の出産立ち合いより祭りを優先して離婚した」などという話もあります。
有名なところでは、「千の風になって」で知られるテノール歌手の秋川雅史さんもガチな西条っ子で、イタリア留学時代から現在に至るまで毎年欠かさず帰省して、所属地域のだんじりを担いでいます。
今回は、主に16日(2日目)の未明からの様子を追いかけました。
一晩かけて御旅所にだんじり・神輿が大集結!
10月16日、日付が変わるやいなや、凄まじい音量で町内放送が鳴り響きます。
鳥か!?飛行機か!?北のミサイルか!?!?いいえ、西条祭りです。
それぞれの地区のだんじりが、御旅所(お祭りにおける神輿・山車の休憩所)に向かって出発するよ、というアナウンスだったかと思われます。
西条駅前方面に向かって進むだんじりを発見。この日、ずっと雨がぱらついていたため、だんじりがビニールを被ってるのが残念でした。
西条駅前から御旅所に向かう道の前には、すでに市内各地区からやってきただんじりがズラリと待機。
これらのだんじりが、隊列を組んで御旅所に向かいます。提灯でライトアップされてすっごい綺麗なんですが、ほんと雨が残念で……。
ちなみに、20万人の観光客が訪れると言われる愛媛県下での指折りのお祭りなんですが、地元民としては「ガチの神事」「本気の祭り」という本気感が溢れており、現場は凄まじい熱気が渦巻いています。みんなメチャメチャ飲んでるしね。
なので、当然警官(愛媛県警)の皆さんもガチで待機しています。
そんなこんなでだんじりは御旅所へ到着!おっとと危ない!(大丈夫でした)
中にはビニールシートをかぶせていないだんじりも。かっこいい!
だんじりは御旅所で奉納を行います。80台近い(確か77台だったかな?)のだんじりが、次々と御旅所に駆け込み、だんじりを高々と担ぎ上げ、派手に“練り”を見せます。
奉納を終えただんじりは、御旅所で朝まで待機。待機つっても、全てのだんじり・みこしが集まった時点で、だいたい朝4時とか5時です。
御旅所を3時半ぐらいに後にして、4時すぎぐらいに宿(市内の親戚宅に泊めてもらいました)に戻りましたが、まだ御旅所に向かうだんじりや神輿がいたので、全部集まったのは4時過ぎてるんじゃないかと……。
朝だよ!御殿前に全員集合!
御旅所に集合した屋台(だんじり・みこしなどの総称)は、朝になると「御殿前」に移動します。
御殿前というのは旧西条藩の陣屋跡。いまは西条高校がある場所です。かつて西条藩のお屋敷があっただけに敷地はお堀で囲まれております。
そのお堀を渡って大手門へと向かう通路を通り、門扉の前でここでもだんじりを高々と差し上げて奉納します。
「殿様ーっ!祭りにきたでー!」って挨拶してるわけですね。
ここまでちゃんと紹介してませんでしたが、「みこし」と呼ばれる屋台は、だんじりとは一線を画した形をしています。
一般的な「担ぐ」タイプではなく、巨大な車輪(人の背丈より大きい!)が付いた台車のようなタイプ。前後には曳くための棒が2本ずつ伸びているのですが、これをシーソーのように上下に動かして、全体を大きく揺らします。
すっごいデカいので、こんな感じに乗ることも。
この日もあいにくの雨だったのですが、晴れた日はお堀の水面にだんじりやみこしが映えてとても綺麗なんだそうです。残念ー! ちなみに、西条市は湧き水が豊富なところで、このお堀の水もメチャメチャ綺麗です。水底が透けて見えるぐらい。お堀っていうと淀んで濁った緑色の水面をイメージする人も多いのではと思いますが、ちょっとビビるぐらい綺麗です。
西条祭りのクライマックス「宮入り」!
御殿前での奉納のあとは、玉津地区へと移動し、つかの間の休憩。そして、祭りのクライマックス「宮入り」へと向かいます。
だんじり、みこしとともに運行していた、ご神体の乗る「御神輿(ごしんよ)」と呼ばれる、いわゆる一般的なスタイルの「お神輿」が加茂川を渡って伊曽乃神社へと帰ります。
土手には、御神輿を見送るだんじりがずらり。
そして、御神輿とともに、同じく加茂川を渡った先にある神戸(かんべ)地区のだんじりも一斉に川へと入ります。
昨日からの雨で加茂川が地味に増水しててヤバい。ちなみに、例年もうちょっと暗くなってから提灯の灯りが映える状態で行われることが多いようなんですが、今年は明るいうちにやっとかないとヤバいという判断なのか、ちょっと早め(※といっても、本来の予定時刻通りらしいですが)だったみたいです。
最大の見せ場とあって、カメラマンも決死の覚悟ですね……。
御神輿が川を渡りきったら形式上はお祭りが終わりとなります。それもあり、祭りの終わりを惜しんで、川の中でだんじりが練りまくります。大丈夫なのかご神体。負けるなご神体。
ちなみに、元々は近くの橋を渡って終わりだったらしいです。戦後になって、熱狂の中で祭りを名残惜しむあまり、川に突入してわちゃわちゃする今の風習が始まったんだとか。
御神輿が渡り終えると、全体としての統一行動も終わりです。だんじりは、それぞれの地区へと帰っていきます。
ただ、まっすぐ帰るというわけでもなく、御殿前を練り歩いたりと、それぞれに祭りの余韻を味わいながら、という感じみたいです。
ホントは御殿前のお堀に映える夜のだんじりとかも見たかったんですけどね。雨がね……というわけで、今回はここまで。
西条祭り、とにかく地域全土の祭りにかける意気込みが半端ないので、10月にお休みが取れる人(※重要)は一度見に行って欲しいです。ボクも雨じゃないときにまた来たい……。
以上、西条祭りレポートでした!
今回使ったレンズとカメラ