どうも、デーブです。あまりにもブログ更新に間が空きすぎて、タイトル画像の作り方とか完全に忘れてました。1年半前に更新した前回はこちら↓
※この記事の内容は2019年9月時点のものです
前日は知床にいました
前回のラストで「次回は知床五湖を~」とか書いてたんですが、1回に起こすほどのボリュームじゃないなということでダイジェストで。
知床五湖は知床半島の根元の方(?)にある5つの湖です。遊歩道が整備され、知床の豊かな自然の真っただ中へ飛び込んでいくことができます。
知床国立公園の知床五湖エリアは「利用調整地」とされていて、5月~10月の期間中は、地上遊歩道ルートへの立ち入りには事前の申請とレクチャーを受ける必要があります(さらに、ヒグマの活動が活発な5月~7月はガイド同行が必須)。
地上遊歩道ルートはこんな感じで、知床五湖周辺の自然を満喫できる……のですが、あまり人がいなかったりすると、流石にちょっと心細さはあります。ヒグマの出没情報とかもありますし。
というわけで、高架木道ルートに脱出。高架木道上には他の観光客も多く、一息ついた感じに。
高架木道からの眺望もとてもいいです。手つかずの自然が広がる光景をしみじみ眺めましょう。
知床五湖から更に知床半島を北上、舗装路も終わって移動できる限界まで行ったところに、カムイワッカ湯の滝があります。温かいお湯が流れる滝で、歩いて入れる部分は傾斜もゆるやかです。(ただし、温泉成分によって足元が滑りやすいのでご注意を)
滝への道中ではエゾシカに遭遇したりもしました。全然緊張感ないなこいつら……。
その後は、海沿いを走って網走に向かい、一泊したのでした。(写真は網走側から知床方面を向いてますが)
いざ網走監獄へ
網走の市街から網走湖に向けて、天都山の中腹付近にあるのが「博物館 網走監獄」です。
ここは、かつての網走刑務所の建造物(移設)を中心に、北海道開拓にあたっての囚人の生活や、現代での刑務所生活の様子まで、広い敷地内に様々な展示が行われています。
この網走監獄、ここからかいつまんで紹介していきますが、東京ドーム3.5個分という広い敷地に、これでもかと展示物が出てきます。写真を撮りながら一通り回るのに4時間以上かかりました。見どころ満載ですので、ぜひ時間を取って見学に訪れてください。
移築・再現された建造物の数々
チケットを購入して場内に入ると、再現された網走刑務所の正門が現れます。そして、もう展示は始まっています。
入り口に立ってる守衛さんは等身大の人形です。遠目には本物に見えますよね。
そして、正門をくぐろうとすると、横に待合室があります。ここにも人形が。
面会に来た家族でしょうか。こんな感じで、移築または復元された当時の建造物の中に、等身大の人形を配置して、実際に使用されていた様子が展示されています。
こちらは旧網走監獄の庁舎。明治45年に建築(元あった庁舎が明治42年に火災で焼失し、その後再建)され、管理棟として使用されていたもの。昭和63年にこの地に移設されました。国指定の重要文化財です。
内部では、北海道開拓における囚人の果たした功績について、概要がパネルと映像で解説されています。
また、グッズ類の展示販売スペースも。めっちゃゴールデンカムイが推されてました。
超キビシー!受刑者のリアルな生活
受刑者の生活について、代表的な展示が見られるのが舎房です。
放射状に5つの舎房が配置されている「五翼放射状平屋舎房」。明治45年から昭和59年まで72年間にわたって使用され、昭和60年にここに移築されました。さきほど紹介した庁舎同様、国指定の重要文化財です。てか、ボクが生まれた頃、まだ使ってたんですねこれ……。
放射状に伸びた獄舎は、中央に通路、両側に囚人を収容する居室が配置されています。
雑居房での食事の様子。囚人が着ているのは、脱走した際に目立つようオレンジ色(柿色)に染められた囚人服。3~5人で一部屋を使っていたそうです。
通路側の壁は、ナナメに板が組まれた格子にになっています。ナナメ方向には室内⇔通路の視界が通りますが、正面は見えないようになっており、通路の向かい側の居室の中を見ることはできません。
独居房で作業中の展示も。規則違反をしたり、他の囚人と同居させられない場合に、独居房へ入れられます。独居房は隔離が目的のため、室内から外が見えないようになっています。具体的には、矢羽の形の断面になっている格子によって、換気のための隙間はありつつも、視線が通らないようになっています。
ん? 廊下の上になにか……
人だ! これは網走刑務所を含め4箇所の刑務所から脱獄し、「昭和の脱獄王」と呼ばれた白鳥由栄の逃走シーンを再現した展示です。漫画『ゴールデンカムイ』の白石由竹のモデルになった人物ですね。
生活に欠かせない場として、浴場の展示もあります。背中にきれいな模様の入った方が何人かいらっしゃいますね……。
このほか、刑務所収容者の食糧生産を担う場として、収容者が作物の生産から管理までをある程度自立的に行う「二見ケ岡農場」(現在もあります)に建てられた「二見ケ岡刑務支所」(重要文化財)や、
お坊さんや牧師さんなどの教誨師が収容者に対して、更生を目的として道徳を説くための施設である教誨堂(重要文化財)が移設されて現存展示されています。
刑務所の職員が暮らしていた官舎の再現展示もあります。
拝命された看守が最初に与えられる一番狭い間取りは、約9坪。囲炉裏を囲む居間と、畳部屋の2部屋(いまで言うなら1LDK?)の作りになっています。職位が上がると、もう少し広い間取りの部屋に入れたそうです。
一方こちらは、日帰りできない場所で刑務作業をする際に用いられた休泊所。受刑者たちが自ら持ち運び、現地で建てて使います。
実態はシンプルな丸太小屋のタコ部屋です。というか、いわゆる「タコ部屋」「タコ労働」の起源が、この囚人労働なんだとか。
枕は丸太を半分に切ったもの。首がバキバキになりそう……。朝になると、監視員がこの木をガンガン叩いて、囚人たちを起こしたそうです。きっつー。
食事は麦めしの日の丸弁当と漬物……。た、タンパク質がない……。
そのほか、囚人たちの様々な刑務作業の様子が展示されています。
現代の刑務所や裁判所の展示も
この建物は、旧釧路地方裁判所の復原棟です。平成2年に釧路地方裁判所網走支部の庁舎が取り壊しされる際に法廷や拘留質問室などを譲り受け、移設再現展示しています。外観は明治風ですが、中身は昭和27年から平成2年まで39年間使用された施設をそのまま再現しています。
単独法廷(裁判官1名による法廷)の再現展示。
これまで見てきた明治期の受刑者たちとうってかわって、現代的な雰囲気に。
裁判官が被疑者に対して、証拠隠滅や逃亡のおそれがないかを確認するための尋問に使用した、拘留質問室。
キミ、元気のいい髪型してるねえ……。
屋内展示施設である監獄歴史館では、パネルや映像による展示のほか、現在の網走刑務所の居室の再現展示も行われています。これまで見てきた過去の獄舎と比べると、どれだけ受刑者の待遇が変わったかも見てとれます。
最大6人を収容する共同室。畳部屋に私物を置いておく棚もあります。テレビや水場もあるんですねえ。広々してるな~。
こちらは単独室。おいおい個室にもテレビあるじゃん。下手なシェアハウスより快適そう。広さはざっくり四畳半くらい。
といった感じで紹介しました、博物館網走監獄。といっても、これで全体の1/5も紹介出来てないです。展示物多すぎ、敷地広すぎで、じっくり見て回ると、マジでまる1日かかる勢いです。最初にも書きましたが、見学にあたってはしっかり時間を確保して行くことを強くおすすめします。それだけの、間違いない見応えが得られます。
行こう!網走監獄!
おまけ:網走で食べた強烈ディナー
網走監獄の見学を終えたあと、網走の市街地で食事処を探してて、ぶらっと入ったのがこちら「レストラン ホワイトハウス」。いやー、出獄したら気分は大統領ってわけ。
で、洋食屋さんだし、ハンバーグとかステーキとかがメインなわけですけど、そこでデーブが選んだメニューがこちら。
「ビーフとコンビ丼(ウニ・イクラ) みそ汁つき」1400円です。
見ての通り、ビーフ(ステーキ)と、
コンビ丼(ウニ・イクラ)です。
普通、セットっていったらビーフステーキにライスとサラダとスープ、とかじゃないですか。いや、もちろんあるんですよそういうセットも。
洋食屋さんだし、まあお肉がメインなわけですよね。でも、せっかく北海道の、それも網走まで来たんだし、なんかそういう感じのものを食べたい。
そんな、「あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい、もっともっと欲しい~」という欲望を叶えてくれるのがこちらのメニューなのです。しかも安い。
ビーフステーキをアテに白米をかきこみたい、などというありきたりな願望は捨てましょう。肉食って、イクラ丼。肉食って、ウニ丼。なんだかよく分からんがとにかく満足できました。すごいお店だ。また行きたい。